与論島の砂浜。海(=地球にひとつしかない「海」)。
それを島民・行政・観光客が一緒に守る。
「拾い箱」はそのための箱です。
環境省×日本財団「海ごみゼロアワード」奨励賞‼【活動動画】
●海ごみ?漂着ごみ?
現在、全国の離島・沿岸地域で定期的な「ゴミ拾い活動」が行われています。
そうしなければならないほど、海ゴミ(漂着ゴミ・漂流ゴミ)は世界的な問題になっているからです…。
※2050年には海の魚の量よりもプラスチックごみの方が多くなる…という研究結果が報告されています。(※重量ベース)
与論島の場合、地理・海流の関係上、6~7割は中国から流れ着いています。
(この他、日本、韓国、台湾、ベトナムなど東南アジア諸国のゴミが与論島に漂着)
でも特定の国が悪いわけではありません。
※同じように日本のゴミはカナダやアメリカの西海岸、ハワイ諸島などに流れ着いており、私たちが出したものが他の地域を汚し続けています。
砂浜に溜まった漂着ごみ。それをキレイにする活動・イベント。今や世界中で見られる光景です。
「ゴミ拾い活動」終了後、その場所はキレイになります。
でもその数週間後、数ヶ月後にはまたたくさんのゴミ…。
だからまた「ゴミ拾い活動」が行われます。そしてまた数週間後には…
与論島が目指すのはその先。常にキレイな砂浜です。
1人の100歩より100人の1歩。
砂浜を訪れた時、もしゴミが落ちていたら、ちょっとだけでもいいから拾う。
拾った漂着ゴミは「拾い箱」に入れる。
自分が食べたお菓子の袋や飲んだジュースの缶など、自分のゴミは持ち帰る。
つまり、「拾い箱」は、ゴミを「捨てるための箱」じゃなくて、ゴミを「拾うための箱」。
●なぜ、拾い箱?
きっかけは365日毎日続けたゴミ拾い活動「美ら島プロジェクト365」。
この島に帰郷した翌朝、2014年4月1日から砂浜へ行き、漂着ごみを毎日拾い続けました。
幸せなことに、たった3日後には同級生が一緒に活動を行ってくれました。
少しずつ活動の輪が拡がり、島民だけじゃなく、観光客の方も一緒に砂浜をキレイにしてくるようになりました。
本当にありがたい、とっても嬉しい出逢いがたくさん。
そんな活動を続けること1,000日以上、丸3年間。
いつからか島内外でこう言われることが増えてきました。
「ゴミ拾いの人」
「がんばってね。」という島の人からの応援の言葉。最初はそれが大きな励みになりました。
でも「ゴミ拾いの人」として見られるようになり、段々とその言葉に違和感を覚えるようになりました…。
「365日ゴミ拾いを続ける」
この活動がもつ影響力は思いのほか大きくて、新聞だけじゃなく、TVやラジオ番組でも取り上げられるようになりました。
そのおかげで、自分や「美ら島プロジェクト365」が少しずつ有名になってくる。
…あれ?でも、これって自分が本当に目指していたことじゃないよな…。
本当に大切なこと、地域の姿…
「特定の誰か」が行う活動じゃなくて、
大切な場所にゴミがあったら自然と手が伸びる
そんな人がたくさんいる地域。そして常にキレイな島の姿。
それを与論島に住んでいる人も、観光で来る与論島ファンの人も一緒につくっていく。
自分たちで「この島を良くしていこう」っていう想いがいろんなところで溢れている姿。
そんな島をみんなが誇りに思うこと。
365日ゴミ拾いを続けること。
たくさんの仲間がいて、それが身体・暮らしの一部になってしまえば、続けることは簡単でした。
一緒に行動する仲間のおかげで毎日楽しい。
こうなってくると、むしろ「やめる」ことの方が難しい。
でもこのままだといつまで経っても「特定の誰か」が行う活動で終わってしまう。
「良い活動」と評価されることはあっても、
100年後、本当の意味で「良い島」になっているかどうか…。
だから「拾い箱」をつくりました。
この景色をみんなで守る。そのきっかけになってほしい。
●理想と現実
そんな「拾い箱」の実現にあたり、反対の声も多数ありました。
「そんな箱を置いたら、不法投棄が増える」
今の日本社会を考えたら、確かにそうです。
最近ではコンビニのゴミ箱が店内に移動されていますが、これは同じ理由。
(自分自身、学生時代に家庭ごみをそこに入れてしまった経験があります…今思えばこれも正真正銘「不法投棄」。)
与論島にコンビニはありませんが(笑)、
自動販売機の傍にあったゴミ箱は同様の理由で撤去された経緯があります。
でも自分の想い、将来の島の姿に賭けてくれた方が与論町役場にいました。
その想いを形にしてくれた大工さんも。
2017年3月、「拾い箱」は完成しました。
現在、設置しているのは10ヶ
・ウフガニク(大金久海岸)
・アーサキ(赤崎海岸:食堂「味咲」と「なつこパーパーのお店」の間)
・ワタンジ ・ハキビナ
・イチョーキ ・トゥイシ
・シナパ(品覇海岸)
・トゥマイ ※映画「めがね」のロケ地
・クルパナ(黒花海岸)
・プナグラ(船倉海岸)
本当は他に置きたい場所もあるんですが、「美ら島プロジェクト365」を通じて分かった
「ポイ捨て・持ち込みゴミがある場所」には設置していません。
そこではただの「ゴミ箱」になる可能性が高いからです。
「このキレイな海を守りたい」
誰もが想う気持ちの受け皿、一歩を踏み出すきっかけ、それが「拾い箱」です。
「拾い箱」の考え・文化が定着するのにまずは5年=2022年3月。
反対・疑問の声が上がっている「箱」が、地域を変えるきっかけ、「先進事例」になります。
(そうなるまでがんばります。笑)
そうすれば、その後は島外にも拡がる=地球にひとつしかない「海」をみんなで守る動きがさらに拡がります。
●「ゴミは拾っても拾ってもキリがない…」
これはゴミ拾いを続ける誰もがぶつかる壁。
確かにその通りです。
でも、「漂着ゴミにキリがない=常にキレイな砂浜は不可能」ではないんです。
漂着ゴミの「現状」を嘆くのか、目指す「未来」に向かって私たちが「動く」のか。
与論島は動き出しました。
でも、「拾い箱」が本当の意味で完成するのはこれからです。
これが「ただの箱」で終わるのか、「この景色を守る箱=拾い箱」になるのか、
それはこの島にいる/この島に来る「私たち/あなたたち」次第。
♯KEEP YORON
♯拾い箱
私たち/あなたたちにとって大切なこの場所を一緒に守りたい。
この地球の未来に懸けたい(賭けたい)。
それがこの「拾い箱」に込められた想いです。
●「拾い箱」を導入したいという地域の方へ
与論島で「拾い箱」を設置するにあたり、下記のようなことをポイントとしました。
・「漂着ゴミ」「ゴミ拾い」について、地域内で関心が高まっていること
・持ち込みゴミ・ポイ捨てが多い場所ではなく、「漂着ゴミ」が多い場所に設置したこと
※前者のような場所では、ただの「ゴミ箱」になる可能性が高くなります…。
・最終処理場までの運搬・処分について協力者がいること
※与論島では、町役場・環境課の協力によって継続体制が確立しています。
(そこに至るまで、半年間一緒に運搬・処分活動を実施しました)
●「拾い箱」、地域をキレイにする取り組みの手助けをします。
=与論島のこの取り組みについて、講演・事例報告に行きます。
※とっても大切なこと
その講演・事例報告をやる場合、「特定のグループだけの場にしない」ということです。
あなたの地域をキレイにする。それを継続する。
それはあなた一人、あなたたちひとつの団体だけでは実現できません。
その場に環境活動に意欲のある団体のメンバー、行政関係者、議員さんや地域住民など、より多くの人を巻き込むことが重要です。
講演・事例報告の内容同様に、「誰と一緒にそれを聴き、考えるのか」ということが極めて大切になってきます。
こちらから与えられるのは「あなたの地域が行動をおこすヒント・きっかけ」です。
実際にその行動をおこす、継続するのは他でもない、あなたの地域自身です。
「KEEP YORON」の動きを
→ KEEP ●●(あなたの地域)へ
環境省×日本財団「海ごみゼロアワード」奨励賞‼【活動動画】
関心のある方はご連絡ください。力になります。
※こちらの仕事の都合上、特に6月下旬~11月初旬は出張が困難です。予めご了承ください。
●連絡先
一般社団法人E-Yoron / 池田 龍介(イケダ リョウスケ)
TEL : 090-4347-5626
Mail : yunnu1127@gmail.com
※タイトルに「拾い箱 問い合わせ」とご記入ください。
●「大切なのは、ゴミを拾うこと以上に「ゴミをなるだけ出さないこと」
私たちの国は、1億2,000万人程度の人口ですが、世界で3番目に大量のプラスチックを消費している国です。
「もったいない」精神・文化は確実に薄れ、今は「使い捨て」経済・文化が当たり前になってきています。
それは、今、あなたのお家のゴミ箱の中を見れば一目瞭然です。
ゴミを拾うこと、それ以前に大事なことは「ゴミをなるだけ出さない」買い物・暮らしをすること…。
この話、動きについてはまた追々…。